「公園の人気者」 鈴木裕子

 選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 カルガモの親子の「ある日」である。①散歩に来たワンちゃんも、尻尾をぴんと立ててしばし見とれている。③こちらもやっとできるようになった「ハイハイ」の赤ちゃん、鴨の赤ちゃんと相通じるところがあるのだろう。白い帽子が日をいっぱい受けてまぶしい…。②は母鴨かと思いきや、子鴨である。その顔が何ともかわいい。①の柴犬と②の赤ちゃんとが左右にあって、真ん中の子鴨を見守っているような3枚の構成である。3枚に共通したローポジションでの撮影。カメラの位置を低くしたことで登場する小さな生き物たちの視点を獲得し、優しい親近感が生まれている。組写真にしたことで、広がりと内容がより膨らんだ。作者の温かな目と心が生んだ作品である。