「福酒」 斉藤伸也

講評: 大西みつぐ

 ダルマ市の帰りに、コップ酒とおでん。こんなささやかな幸せが一年のスタートにはふさわしい。そうした思いがにじみ出ているようなおじさん二人の表情が素敵です。さらに、手前の食券札2枚とダルマさんの白い目がなぜか対応してしまう。ここにもちょっとした幸せがありそうです。縦位置でさりげないスナップは、作者もまた同じようにここで一杯?「心を温めた」という証ではないでしょうか。うらやましい限りです。