「天高く」 齋藤成伸

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

西日を受けた半裸のパフォーマーが、細い棒のてっぺんで逆立ちをしている。倒れ掛からんばかりに石垣の上の大木が傾き、左の高いビルもピサの斜塔の様に傾いている。それらに挟まれるようにして、男が垂直に立つ棒に命を預けている。右からのフレアーを起こした光が、大木と男とを押し倒そうとでもするかのようだ。下から煽っての撮影で傾いて写ったそれらが、なんとも不思議な画面を作っている。

ありきたりのパフォーマーの大写しの写真にしたくなかったのだろう。手前左の頭から服をかぶった男の存在も、作者の意識の中にしっかりあったに違いない。

「天高く」 齋藤成伸