総評 : 審査員 日本カメラ前編集長 前田利昭

昨年に続いて皆さんの作品を拝見しましたが、その際の印象と変わらず、キチッと真面目に仕上げられた一定水準を超えた作品が多いことに感心しました。そして同様にその隙のなさにさらに贅沢な注文を付けたくなってきました。もう少し、柔軟な、のびのびとした表現も見たくなってしまうのです。そこで私なりの提案ですが、応募作品選びの時に、「なぜ自分はこんな写真を撮ってしまったんだろうか」といった作品にもあえて目を通し、見直してみるというのはどうでしょうか。構図的にもアンバランス、コントラストも色彩も中途半端、シャープネスも不足などネガティブな要素がどこかにある、でもなぜか気になって応募候補に残していた

‥‥そんな作品にもしかすると思いがけない写真の魅力が潜んでいるかも知れないからです。